正社員求人の約5割が書類選考なしであることからもわかるように、ハローワークには面接だけの会社が多くあります。
しかし、なぜハローワークには面接だけの会社が多いのか、具体的な理由を解説しました。
ハローワークは正社員求人の約5割が書類選考なし
ハローワークが扱っている求人で面接だけの会社、つまり書類選考なしの会社は民間の求人サイトと変わりがないと思っているかもしれません。
しかし、ハローワーク一般求人の中で書類選考選考なしの求人数を調べてみると、1,045,040件のうち596,220件(2024年5月13日時点)で、60%弱は書類選考がありません。
また、一般求人でフルタイムの正社員で絞って検索してみると、548,336件のうち267,690件(2024年5月13日時点)で、50%弱は書類選考がありません。
さらに、新卒・既卒求人の正社員に絞って探してみると、25,621件のうち11,506件(2024年5月13日時点)で、約45%は書類選考なしです。
誰もが知っているリクナビNEXTで全員面接の求人は約132,000件以上の中で225件(2024年5月13日時点)しかなく、1%にも達しません。
このように比較してみると、ハローワークには面接だけの会社が多いことが分かります。
なお、ハローワークも含めた書類選考なしの既卒就職エージェント・求人サイトは以下の記事でも紹介しています。
ハローワークに面接だけの会社が多い理由
ハローワークに面接だけの会社が多い理由を以下にまとめました。
応募者を確保するため
企業がハローワークで求人募集を行う理由として、応募者を確保したいことが挙げられます。
ハローワークは就職活動をしている人や失業した人が多く利用しています。
人が多く集まっているところで求人募集を行えば、目に留めてもらいやすく、応募者の増加につながる可能性が高いです。
選考方法に関しても、書類選考や筆記試験を行わずに面接だけにすれば、より応募してもらいやすいため、面接だけの会社が多いのです。
ハローワークからポテンシャルを見るように言われている
これは筆者の体験談ですが、ハローワークを利用して応募した企業の人事に聞いたところ、仕事に必要な経験・スキルを持った人材に絞った募集をすると応募者がいないと言っていました。
そのため、ポテンシャルも見て一定数の候補者を集めているとも言っていました。
ハローワークも、希望の人材から応募が無い時にはポテンシャルを見るように指導しているらしく、面接だけの会社が多い理由になっています。
ハローワークからのお願い
人柄や意欲などは、書面ではなかなか伝わらないことがあります。面接していただくことで、応募書類以上の情報が得られる可能性が高まります。ぜひ、応募者の方との面接機会を確保いただくようお願いします。
選考する側の負担を減らすため
ハローワークで好条件の募集がある場合、応募が殺到します。
しかし、募集している企業は中小・零細企業が多いため、書類選考を行っていると、選考する側の負担が大きいです。
そのため、負担を減らすために、書類選考を行わずに面接だけ行う場合もあります。
現場系の職種であるため
建設や設備管理など現場系の職種は特別なスキルがいらない場合があります。
わざわざ、書類選考をして経験やスキルを確認するよりも、面接に呼んでやる気を確認した方が手っ取り早く採用できます。
そのため、現場系の職種の募集は面接だけの会社が多いです。
就職面接会に参加している
ハローワークでは就職面接会を定期的に開催しています。
参加している企業は自動的に面接だけの会社になるため、面接だけの会社が増える一因になっています。
ハローワークで面接だけの会社に応募する際にすべきこと
ハローワークで面接だけの会社に応募する際にすべきことがあります。
応募する会社のリサーチをする
面接だけの会社が自分に合った会社とは限らないため、応募する会社のリサーチをしましょう。
募集していた職種とは違う仕事になったり、残業が多かったりするなど、事前に聞いていたこととは全く違う条件になることがあります。
ハローワークは無料で求人募集することができ、企業の審査・指導も緩いため、このような条件の違いが起こりやすいです。
応募する前に企業の評判をリサーチする方法としては、SNS、転職口コミサイトがあります。
おすすめの転職口コミサイトは、転職会議、キャリコネ、OpenWork、ライトハウスです。
評判の中に同じような不満が見られれば、そのような傾向が強い会社であることがわかり、応募を避ける材料になるので活用しましょう。
面接対策をする
選考方法が面接だけになるので、面接対策をしましょう。
ハローワークは、新卒応援ハローワーク、わかものハローワークで専任の就職支援ナビゲーターが無料で面接対策を行ってくれます。
もし難しい場合は、ハローワークに併設されていることが多いジョブカフェで面接対策を依頼しましょう。
ジョブカフェは自治体が運営するハローワークのようなサービスで、無料で利用できます。
なお、民間の転職エージェントは紹介した求人に対する選考対策として面接対策をしているので、ハローワーク求人に対する対策は対応していません。
ハローワークの面接だけの会社への応募でよくある質問
ハローワークで面接だけの会社への応募でよくある質問についてまとめました。
Q1:応募した日に面接に呼ばれることはありますか?
応募した日に面接に呼ばれることはあります。
ちょうど、企業側が時間が空いていれば、そのようなことは起こりえます。
そのため、履歴書などの応募書類は用意しておきましょう。
応募の仕方がWEB上だった場合は書類の持参を求められることがあるからです。
Q2:面接の回数は何回が多いですか?
面接の実施回数は2回以上が多いです。
1回だけでは求める人材か確信が持てず、2回行うことによって複数人の視点から判断したいからです。
Q3:面接の結果はすぐに出ますか?
面接の結果はすぐに出るとは限りません。
面接の回数が1回で、応募者が少なければ、すぐに結果が出る(その場で内定が出る)可能性もあります。
しかし、少なくとも面接は2回以上行われ、応募者も複数人いるのが一般的なので、各ステップや最終的な結果が出るのに時間はかかります。
Q4:ハローワークに行かなくても面接だけの会社かどうか確認できますか?
ハローワークに行かなくてもハローワークインターネットサービスを利用すれば求人を見られるため、面接だけの会社かどうかを確認できます。
ハローワークから離れた所に住んでいる人は通うのに時間がかかりますし、交通費もかかるので、ハローワークインターネットサービスで確認を済ませましょう。
まとめ
ハローワークに書類選考なしで面接だけの会社が多い理由は以下の通りです。
- 応募者を確保するため
- ハローワークからポテンシャルを見るように言われている
- 選考する側の負担を減らすため
- 現場系の職種であるため
- 就職面接会に参加している