施工管理の仕事は、やりがいと共に大きなストレスや負担も伴う職業です。
多くの人が辞めるかどうかの岐路に立たされますが、その決断が「よかった」と感じる人もいれば、「後悔した」と感じる人もいます。
この記事では、施工管理を辞めてよかった人と後悔した人の違いを解説したので、最終的な決断の参考にしてください。
施工管理を辞めて後悔した人
施工管理を辞めて後悔した人の特徴をまとめました。
転職先がミスマッチだった
施工管理を辞めた後の転職先がミスマッチだった場合、後悔する人がいます。
例えば、仕事の内容が思い描いていたものと違ったり、社内の人間関係が悪かったり、経験・スキルを活かせていないなどです。
全てが転職前に想定できるとは限りませんが、いざ転職してみると、やりがいや自己実現感が得られず、施工管理のままの方がよかったと思い悩むことがあります。
安定した収入や職場環境を失った
施工管理の仕事は、業界の平均年収としては安定していて、会社として見ても安定した職場環境のところはあり、失うことによって後悔する人がいます。
令和4年の民間給与実態統計調査によると、施工管理が含まれる建設業の平均年収は529.1万円となっています。
この統計は14業種に分けられていますが、建設業は6番目の数値で、全業種の平均は457.6万円です。
全業種平均よりも高い平均年収からわかるように、辞めなきゃよかったと思うかもしれません。
施工管理としてのキャリアが積めなくなった
施工管理としてのキャリアが積めなくなったと感じた時に後悔する人がいます。
そもそも、施工管理として就職した時に、実務経験を重ねながら資格を取得して手に職を付けたいというようなキャリアプランがあったはずです。
辞めた後に、もし施工管理を続けていたら、そのキャリアプランを実現できていたかもと思い悩むかもしれません。
勢いで辞めてしまった
一時的な感情に任せて勢いで辞めた場合、本当に辞める必要があったのかと後悔することがあります。
ふと冷静になった時だけでなく、転職活動をする中で、書類選考や面接選考に通過しないことが続くと、このように感じやすいです。
ブランクが空いてしまうと転職がしづらくなってしまうので、短気は損であるということを認識しておく必要があります。
施工管理を辞めてよかった人
施工管理を辞めてよかった人の特徴をまとめました。
人間関係が改善された
施工管理から転職して人間関係が改善されると、辞めてよかったと感じる人がいます。
年上の職人さんや上司と上手くコミュニケーションがとれず、人間関係が築けない人がいるからです。
経験を重ねれば慣れる面もありますが、若い人ほど怒られることに慣れておらず、心理的な負担が大きいです。
そういった場合、無理して続けるよりも、辞めて人間関係を一旦リセットした方がよかったと感じやすいかもしれません。
計画的なキャリアチェンジが果たせた
計画的なキャリアチェンジが果たせると、施工管理を辞めてよかったと感じやすいです。
同業界同職種への転職が最も難易度が低いですが、キャリアチェンジは異業種異職種転職なので、難易度が高いからです。
特に、転職先が自分のスキルや興味に合った仕事であれば、満足度はさらに高まります。
体力的な負担が軽減された
施工管理を辞めてよかったと感じるケースとして、体力的な負担が軽減されたことがあります。
働き方改革や36協定の特別条項の規制適用で、労働時間が減ってはいるものの、他の業界に比べて残業が多いことは否めません。
その上に、炎天下の仕事や工期に間に合わせようとするプレッシャーもあるので、余計に疲れやすいです。
しかし、転職先がそういったこととは無縁のホワイトな労働環境であれば、施工管理を辞めてよかったと感じやすいです。
新しい仕事でやりがいを感じている
自分のスキルや興味に合った仕事でなくても、新しい仕事でやりがいを感じていると、辞めてよかったと感じます。
施工管理は危険と隣り合わせの仕事なので、ストレスを抱えやすいですが、施工管理とは関係のない職種に転職すれば、ストレスから解放されて仕事に打ち込めるからです。
環境をリセットすることは仕事へのモチベーションを高める意味でも大きいです。
家族といる時間が増えた
家族といる時間が増えることによって、辞めてよかったと感じやすいです。
施工管理は転勤や出張が多い仕事なので、他の職種と比べると家族といる時間が少ないからです。
勤務地限定の採用もありますが、各地の需要や人手不足もあるため、転勤や出張がなくなることはありません。
施工管理から違う職種に移ることで、そういったリスクがなくなり、家族と過ごせる時間が増えます。
【結論】施工管理を辞めても問題はない
施工管理を辞めても問題はありません。
高卒3年以内の離職率はやや高い
施工管理の離職者が飛び抜けて多いわけではありませんが、辞めている人はたくさんいます。
厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)によると、大卒の就職後3年以内の平均離職率は32.8%、建設業は大卒者が30.1%ですが、高卒者の就職後3年以内の平均離職率は37%、建設業が42.4%となっています。
大卒者よりも高卒者の方が若いうちに辞めている人が多いことがわかります。
人手不足だから戻りやすい
施工管理は人手不足なので、一旦やめたとしても戻りやすいです。
施工管理の個別のデータはありませんが、令和4年雇用動向調査によると、建設業の入職率は8.1%、離職率は10.5%となっていて、離職する人の方が2.4%多くなっています。
令和3年の調査では入職率の方が0.4%高かったので、悪化しています。
このデータからも分かるように、辞める人の方が多く、高齢化も進んでいるので、辞めたことを後悔する必要はありません。
施工管理の経験・スキルを活かせる転職先がある
施工管理を辞めたとしても、経験・スキルを活かせる転職先があります。
例えば、施工管理で培われたプロジェクトマネジメントスキル、年配の人とのコミュニケーションスキル、問題解決能力は、コンサルタントや課題解決型営業に向いています。
また、施工管理は現場仕事だけでなく事務作業も行うため、事務職も向いています。
以上からわかるように、どんな業界でも経験・スキルを活かすことができるので、施工管理を辞めることを心配する必要はありません。
ただし、無計画に施工管理を辞めるのはダメ
施工管理を辞めることに問題はありませんが、無計画に辞めることはおすすめしません。
辞めてすぐに転職先が決まるとは限らない
施工管理を辞めても、すぐに転職先が決まるわけではありません。
書類選考や面接選考に通過する必要があり、適切な対策をしないと落ち続けてしまうからです。
施工管理と近しい職種への転職ならまだしも、営業職や事務職への転職はキャリアチェンジになるため、入念な対策が必要です。
無職で選考に通過しない状態が続くと、転職に不利になってしまうため、在職中に転職活動をすることをおすすめします。
生活苦に陥る可能性がある
施工管理を勢いで辞めてしまうと、生活苦に陥る可能性があります。
それなりの経験年数がある人ならともかく、若い人ほど貯金が無いかもしれないからです。
転職活動は計画性が大事で、在職中に行うのが基本ですが、もし仮に退職後に行う場合は、当面の生活資金を確保する必要があります。
その生活設計が無いと後々困ることになるため、一時の感情で辞めてしまうのはおすすめできません。
施工管理からの転職で使いたい転職エージェント
施工管理からの転職で使いたい転職エージェントを紹介します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界大手の転職エージェントで、学歴や経歴に関係なく転職支援をしてくれます。
求人数がとても多いため、業界・職種ともに応募先の選択肢がたくさんあります。
登録をすると、スカウトサービスを利用することができるので、自分にどれくらいの需要があるのかも確認できます。
全国の求人を扱っているので、地方で施工管理からの転職を考えている人におすすめです。
ゼロタレ
ゼロタレは20代の非大卒向けの転職エージェントで、中卒や高卒などに特化して転職支援をしています。
特化型のため求人数は限られてしまいますが、高卒を始めとした非大卒の転職支援実績が豊富です。
施工管理からがどんな職種に転職の可能性があるのか、経験豊富なキャリアドバイザーに相談してみると良いでしょう。
東京と大阪に拠点があるので、この周辺で転職したい人におすすめの転職エージェントです。
UZUZ(ウズキャリ)
UZUZ(ウズキャリ)はIT業界に強い転職エージェントで、高卒以上の転職支援をしています。
東京や大阪の他、愛知や福岡など主要都市の求人を扱っていて、求人も独自基準でブラック企業を排除しているので、個人で探すよりも安心です。
サポートは元既卒・第二新卒のキャリアアドバイザーが1人あたり平均20時間以上かけて行ってくれます。
そのため、IT業界に転職したい20代・第二新卒におすすめの転職エージェントです。
施工管理を辞めてよかった人と後悔した人の違いのまとめ
施工管理を辞めて後悔する人もいれば、よかったと感じる人もいます。
総じて、施工管理を辞めることに問題はありません。
計画を立てて、在職中に転職先を決められるように活動しましょう。