施工管理の仕事がきつい、人間関係に疲れたなどの理由で辞めたいと考えていませんか?
しかし、「高卒1年目ですぐ辞めるのはありなんだろうか」「辞めて後悔しないだろうか」と悩んでいる人も多いと思います。
今回、そんなあなたに向けて、施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるのはありなのか、メリット・デメリットを交えて解説しました。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるのはあり
結論を言うと、施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるのはありです。
高卒1年目でも辞めている人はたくさんいるので問題ありません。
しかし、辞めて後悔する人も中にはいます。
それは、辞めることによるデメリットをよく把握しなかったためです。
辞めるかどうか迷っている人は、メリットだけでなくデメリットもあるので、よく確認した上で行動に移しましょう。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるデメリット
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるデメリットについてまとめました。
施工管理の経験・スキルが身につかない
施工管理は資格が無くてもできる仕事ですが、出世を考えると資格を持った上で経験を積み重ねていくことが必要です。
これは、建築と電気工事の2級施工管理技士の2次検定の新受験資格が、1次検定に合格した後に実務経験を3年以上積むことが求められていることからもわかります。
ところが、高卒1年目で辞めてしまうと、資格の受検どころではなく、経験・スキルは身につけられません。
収入アップにつながらない
前項でも述べたように、資格の取得と経験を積むことが出世に求められているので、高卒1年目で辞めてしまうと収入アップにもつながりません。
無資格だと平均年収が300万円前後ですが、2級建築施工管理技士の平均年収は400万円前後、1級建築施工管理技士は500万円前後と言われているからです。
2級経由で1級の取得をするまでに合計9年以上、1級を直に取得する場合でも5年以上の実務経験が必要なので、高卒1年目で辞めてしまったら元も子もありません。
1年とは言え築いた人間関係がリセットされる
施工管理を辞める理由の1つに人間関係がありますが、これは全く問題がなく、他の理由で辞める人がいます。
その人にとっては、たった1年とは言え、築いた人間関係がリセットされてしまい、新たな職場で一から人間関係を築いていかなければなりません。
仕事を覚えることと同じくらい人間関係の構築は力を使うので大変です。
転職の際にすぐ辞める人だと思われてしまう
職務経験が1年にも満たないと、すぐに辞める人だと思われてしまいます。
少なくとも3年は勤めないと、転職においてまともな評価をしない企業がまだ多くあるからです。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるというのは、そういったリスクもあることを認識しておかなければなりません。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるメリット
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるメリットをまとめました。
残業・休日出勤から解放される
施工管理にとって最大のメリットが残業・休日出勤からの解放です。
昨今の働き方改革で2024年4月から建設業に36協定が適用されたり、休日は現場を閉場にするなど、残業や休日出勤は減る方に向かっています。
しかし、施工管理は現場の仕事に加えて、事務作業もしなければならず、工期との絡みで残業はどうしても発生してしまいます。
分業制やデジタル化が進めばよいのですが、企業ごとに温度差があり、人手不足も続いているので、残業が大幅に減ることは期待できません。
一ヶ所に腰を据えて働けるようになる
施工管理を辞めたくなる原因の1つに転勤・出張があります。
そのため、施工管理を辞めて他の職種に転職すれば、一ヶ所に腰を据えて働くことも可能です。
建設業以外の業界でも転勤に拒否反応を示す人は多く、せっかく良い会社に入っても地方転勤になって辞める人は多いです。
あちこちに行くのが苦痛でない人はいいのですが、一ヶ所に留まって地元で働きたいという人にはおすすめの仕事ではありません。
そういった意味でも、転勤が無くなるのは大きいです。
身体的な危険性が低くなる
建設業は仕事柄事故がつきものの業界です。
施工管理を辞めることによって、身体的な危険性が低くなります。
時折、倒れてきたクレーンに挟まれたり、落下した鉄骨に当たる、作業車に轢かれるなどのニュースを目にします。
ニュースになっていないものでも大なり小なり事故は発生しています。
例えば、オフィスワークに転職すれば、そういった危険性は無く、安心して働けるのは大きいです。
人間関係に悩むことが少なくなる
施工管理を辞めると人間関係に悩むことが少なくなります。
施工管理は年上の職人さんをまとめる立場だからです。
これが単発であればまだいいのですが、常態であるのが他の仕事との違いです。
他の職種でも年上の人と仕事をしますが、若手のうちから年上の人をまとめるような仕事はしません。
現場の職人さんは20歳・30歳以上も離れた人達なので、高校や大学を卒業して間もない人がコミュニケーションをとるのは難儀します。
しかし、辞めてしまえば、怒鳴られたり、嫌味を言われることは少なくなります。
体調不良やうつ病を未然に防げる
人間関係の悩みを持ち続けたり、過重労働、危険な仕事を続けていると、体調不良やうつ病になることもあります。
施工管理を辞めれば、そういったリスクを未然に防ぐことができます。
いったん、体調不良やうつ病になってしまうと、仕事がまともにできなくなります。
特に、うつ病は転職そのものが難しくなってしまうため、そうなる前に決断した方が良いです。
早めにキャリアチェンジできる
高卒1年目で辞めると、早めにキャリアチェンジできます。
キャリアチェンジは一から仕事を覚えていかないといけないため、若ければ若いほど有利だからです。
30代で経験のある人でも、ポータブルスキルをうまくアピールできれば未経験の職種に転職はできますが、一般的には難しいと言われています。
もし、施工管理が向いていないと思うのであれば、早めにキャリアチェンジするのはありです。
施工管理を辞めた方がいい会社の特徴
施工管理をすぐ辞めるメリット・デメリットだけでは判断がつかない人もいると思います。
そこで、判断の助けとなる施工管理を辞めた方がいい会社の特徴についてまとめました。
36協定に違反している
36協定に違反している会社は問答無用でダメです。
建設業も2024年4月から36協定の特別条項の残業上限規制が適用となりました。
残業のみだと年間720時間、残業と休日出勤だと単月で100時間未満で、2~6か月平均が80時間以内の残業までしかできないという規制です。
これまでの36協定は結んでいれば、残業時間の上限がありませんでしたが、今後は法律違反になるためできなくなりました。
多くの会社は法律を遵守しますが、中には違反している会社もあるかもしれません。
もし、勤務先が36協定に違反しているのであれば、辞めるべき判断材料となります。
年間休日数が113日に満たない
東京都の中小企業の賃金事情(令和5年版)によると、建設業の年間休日数は113日となっています。
働き方改革が進んでいる中で、この日数を下回る年間休日数の企業に勤めているのであれば、辞める判断材料の1つとなります。
所定労働時間が法律の上限である
所定労働時間が法律で定められた上限の法定内残業の場合はとても危険です。
なぜなら、過重労働になるおそれがあるからです。
法定内残業とは、企業が定めた所定労働時間を超えているが、法定労働時間の範囲内の労働を指していて、1日8時間、週40時間までとなっています。
公務員のように7時間労働の会社もあれば、法定内残業上限の8時間労働の会社もありますが、後者に該当すれば20時間余分に働いていることになります。
この20時間にプラスして、法定外残業が60時間の月があれば、過労死ラインの80時間に達してしまいます。
法定内残業を採用している会社は多いですが、好ましいとは言えません。
施工管理を辞める際の注意点
施工管理を辞める際の注意点についてまとめました。
退職を引き止められる可能性がある
施工管理を辞める際、勤務先から引き止められる可能性があります。
ここで曖昧な理由を述べてしまうと、会社側も引き止めの余地があると感じて押してくるので、辞めづらくなってしまいます。
明確で一貫した退職の意思を伝えるようにしましょう。
それでも、しつこく引き止めてくる可能性があるかもしれません。
その場合は、退職代行サービスを利用するのも1つの方法です。
専門の第三者が間に入って交渉してくれるので、自分で行うよりも辞めやすくなります。
在職中に転職活動を行う
在職中に転職活動をすることをおすすめします。
いくら若いと言えど、短期離職になってしまうので、退職してからの転職活動だと不利になりやすいからです。
世の中は人手不足なので、退職してからの転職活動でも問題ないと思うかもしれないでしょう。
すぐに決まればいいですが、半年、1年と時間が経つとブランクが空くことになり、余計に転職がしにくくなってしまいます。
スケジュール調整が難しいかもしれませんが、働きながら転職活動するのが無難です。
転職理由を考えておく必要がある
施工管理を辞める際、転職理由を考えておく必要があります。
面接では十中八九、施工管理から転職する理由を聞かれるからです。
本音は仕事がきつい、人間関係に疲れたなどと言いたいかもしれませんが、志望先の企業は同じ理由で辞める可能性があると判断するため、印象が良くありません。
ポジティブで納得ができる転職理由であれば、面接官の印象も良いので、面接で落とされる可能性を減らせます。
ミスマッチな転職を避けるという意味でも、転職理由を考えておいて損はありません。
施工管理からの転職でおすすめの職種
施工管理からの転職でおすすめの職種を紹介します。
営業職
営業職は業界に関係なくどの会社にもあるだけに、潰しが効く職種です。
万が一会社が倒産したり、再びの転職を余儀なくされることがあっても異業種転職がしやすいです。
営業職として実績を上げるのは、施工管理とは違う厳しさもありますが、一度経験しておいた方が良いです。
施工管理との親和性でいうと、不動産仲介やハウスメーカーの営業職がおすすめです。
宅建士を持っているに越したことはありませんが、資格が無くても転職は可能です。
インフラエンジニア
ネット社会においてインフラエンジニアは欠かせない職種です。
ITインフラの設計・構築・運用・保守を担ってくれているおかげで安心してインターネットを利用できます。
無資格でも転職はできますが、CCNAやLinuCなどの関連資格を取得した方が転職がしやすいです。
資格取得と転職支援がセットになったITスクールを利用するのも1つの手です。
直接転職する場合は、IT業界に強い転職エージェントを利用しましょう。
地方公務員
安定性、整った労働環境を重視するのであれば、地方公務員がおすすめです。
社会人枠だと応募できない可能性が高いので、新卒も受検対象になっている一般枠で応募することになります。
施工管理の経験を活かせる技術系の仕事もあり、学歴も全く関係ありません。
地方公務員はなり手不足に陥っているため、倍率が下がっており、チャンスはあります。
ビルメンテナンス
IT系のインフラエンジニアに対して、現場系のビルメンテナンスもおすすめの職種の1つです。
ビル、工場、マンションなど建築物の設備の保守や点検を行う仕事の総称で、細かい職種で言うと、電気工事士や消防設備士、ボイラー技士などがあります。
安定して仕事があり、夜勤をする場合もありますが、施工管理のようなキツさはありません。
資格があればより良いですが、無くても仕事に就くことはできます。
施工管理からの転職でおすすめの転職エージェント
施工管理からの転職でおすすめの転職エージェントを紹介します。
ゼロタレ
ゼロタレは中卒や高卒など大卒以外に特化した20代向けの就職・転職エージェントです。
特化型のため求人数は多くありませんが、高卒の就職・転職支援実績が豊富なので、相談がしやすいです。
志望が具体的でない人も自分がどんな職種の可能性があるのかを知る意味で相談してみると良いでしょう。
東京と大阪で転職したい人におすすめの就職・転職エージェントです。
UZUZ(ウズキャリ)
UZUZ(ウズキャリ)は高卒以上に対応しているIT業界に強い就職・転職エージェントです。
キャリアアドバイザーは元既卒・第二新卒の社員で構成されているため、第二新卒という立場に寄り添ったサポートが得意です。
1人あたり平均20時間以上かけてサポートしてくれて、求人も独自基準でブラック企業を排除しているので、個人で探すよりも安心です。
拠点は東京と大阪ですが、愛知や福岡などの求人も扱っているので、主要都市で働きたい人におすすめです。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞める時によくある質問
施工管理を1年目ですぐ辞める時によくある質問についてまとめました。
Q1:施工管理を辞める適切なタイミングはいつですか?
施工管理を辞める際は、就業規則を踏まえた上で上司と相談し、仕事への影響が少なく済む時期を選びましょう。
法律上は2週間前までに辞める意思を伝えれば辞められますが、どの会社にも就業規則があり、辞める際は1ヶ月前に申し出るという風に決まっているからです。
さらに、プロジェクトが佳境に入っているタイミングに辞めると影響が出る可能性があるので、その時期は避けるのが無難です。
Q2:施工管理は潰しが効かないので転職しにくいのではないですか?
施工管理が潰しが効かないことはないため、転職がしにくいということもありません。
高卒1年目と言えど、プロジェクトマネジメントスキルや年上の職人さんと培ったコミュニケーション力、問題解決能力などは他の業界・職種でも活かすことができるからです。
施工管理を高卒1年目ですぐ辞めるのはあり?のまとめ
デメリットを十分に理解した上で、施工管理を高卒1年目で辞めるのはありです。
次のようなメリットもあるので、前向きに決断しましょう。
- 残業・休日出勤から解放される
- 一ヶ所に腰を据えて働けるようになる
- 身体的な危険性が低くなる
- 人間関係に悩むことが少なくなる
- 体調不良やうつ病を未然に防げる
- 早めにキャリアチェンジできる