既卒の就活サービスに関して基礎知識だけでなく、ちょっとしたノウハウについても触れながら解説をしました。
内容を全く理解しなくても就職活動には影響ありませんが、知っておいて損はありません。
今回の記事を読むと、既卒向けの就職支援サービスの定義、種類、選び方、求人サイトの種類、メリット・デメリット、スカウト機能、派遣の定義について理解することができます。
なお、既卒そのものについての基礎知識は、「既卒とは?利点・弱点も含めて解説」を参照してください。
既卒就職支援サービスとは
既卒就職支援サービスって何?と聞かれなくても名前から意味は分かるとは思いますが、あえて解説させていただきます。
既卒就職支援サービスとは、学校を卒業(・中退)したフリーターやニートなどの非正規雇用者の正社員・契約社員化をサポートしてくれる人材紹介サービス(就職エージェント)のことを指します。
なお非正規雇用者の中で、派遣社員の扱いは微妙です。単発のイベントへの派遣であれば、アルバイトと変わらないので、非正規雇用者に含みます。
しかし、オフィスワーク(例えば事務)の派遣であれば職歴になるので、3年程経験があれば転職支援サービスを利用した方が良いです。
中途採用者向けの転職支援サービスと仕組みは同じ
中途採用者向けは転職支援サービスや転職エージェントと呼ばれるものがありますが、既卒向けも仕組みは全く一緒です。
基本的には、既卒のフリーター・ニートに特化していますが、職歴の浅い第二新卒を対象にしているところもあり、職歴のなさ・浅さを気にしている人にとってはありがたいサービスです。
事業者は民間と公共に分かれていて、民間はハタラクティブ、いい就職ドットコム、就職カレッジなどが有名で、公共は新卒応援ハローワークです。
人材紹介だけではなく、人材派遣も含めると事業者はもっとあります。
何れにしても、利用に関しては無料なので、求職者への負担は一切ありません。
民間と公共の就職支援サービスの違い
民間と公共の就職支援サービスの違いについて述べておきます。就職支援サービスとは文字通り求職者の就職を支援するサービスのことを指します。
就職支援サービスは自治体が行ういわゆるハローワークが提供するものと民間の職業紹介会社が提供するものに分かれます。
上述の通り、どちらを利用する場合も求職者への金銭的な負担は一切ありません。
ちなみに民間の職業紹介会社は有料職業紹介事業者となっていますが、これは求職者からではなくて、求職者を採用した会社から紹介料を貰うという意味での有料なので、求職者はお金のことを心配する必要はありません。
ハローワークと民間の職業紹介会社にはいくつか異なる点があります。
まずハローワークは求職者を採用する会社から紹介料を貰いません。待遇の交渉もしません。
一方で民間の職業紹介会社は求職者を採用する企業から紹介料を貰います。待遇の交渉はしてくれます。
その他の書類の書き方や面接の受け方といったサービスは双方とも対応してくれますが、採用する会社の企業風土や仕事内容といった内部情報は、民間の職業紹介会社の方がデータを豊富に持っているので、選考対策という点では民間の職業紹介会社の方が良いかもしれません。
以上のまとめ
- 既卒就職支援サービスとは、学校を卒業(・中退)したフリーターやニートなどの非正規雇用者の正社員・契約社員化をサポートしてくれる人材紹介サービス
- 民間と公共の就職支援サービスの違いは、民間の職業紹介会社は企業から報酬をもらうが、ハローワークはもらわない
就職支援サービスの種類と選び方
既卒の就職支援サービスは一見するとどれも同じように見えますが、よく見ると3つの種類があります。それは、
- 一般型の既卒就職支援サービス
- 研修型の既卒就職支援サービス
- ハローワーク
の3つです。
一般型の既卒就職支援サービス
一般型の既卒就職支援サービスとは、就職アドバイザーが求職者に就職相談や求人紹介、選考のサポートを行い内定までを無料でサポートするものです。就職支援サービスの基本形と言えるものです。
例としては、いい就職ドットコム、ハタラクティブ、UZUZ(ウズキャリ)などがあります。
研修型の既卒就職支援サービス
研修型の既卒就職支援サービスとは、一般型のサービス内容に加えて一定期間の研修を行うという違いがあります。研修を修了すると次のステップが面接から始まるので、書類選考で引っかかている人におすすめと言えます。
この代表的な例としては、就職カレッジ、かつやくカレッジ、就活エクスプレス、ウズウズカレッジがあります。
ハローワーク
各都道府県で就職相談、求人紹介、選考のサポートなどを無料で行ってくれます。既卒対象の求人も多く、民間の就職支援サービスに比べて地域密着性が高いという違いがあります。
特に、学校卒業後3年以内の場合は、新卒応援ハローワークの対象になっているので、該当者は利用してみましょう。それ以降の場合は、わかものハローワークを利用しましょう。
ちなみに、人材派遣も上記の仕組みと似ていますが、雇用形態が派遣となり最終的に正社員として働けるかどうかは本人次第となります。
種類を把握したら、どうやって選べばいい?
就職支援サービスの種類を把握したら、次は選択に移ります。
既卒になってしまったことに負い目を感じている人も多いと思いますが、それでも既卒の就職活動に自信のある人は、いい就職ドットコムやハタラクティブなどの一般型の既卒就職支援サービスやハローワーク、就職Shopを選びましょう。
選考をスピーディーに進めていきたいならこの3つです。
一方で、完全に自信を失ってしまったり、既卒として就職活動をしているけど全く進展がないという人は研修型の既卒就職支援サービスを選びましょう。
一定期間の拘束がある、年齢制限がある、求人のエリアや研修場所が主に東京・大阪が中心という点があるので、地方の人は利用しづらいかもしれません。
ただ、生涯で得られる収入を考えれば、東京や大阪での滞在費・交通費は一時の支出に過ぎません。
研修をきちんと修了すれば面接からスタートできるという利点もあります。
以上のまとめ
- 就職支援サービスの種類は一般型、研修型、ハローワークの3つ
- 自分に自信のない人は研修型の就職支援サービスがおすすめ
検索型サイトとコンサル型サイトの違い
求人サイトには2種類あります。
- 検索型サイト
- コンサル型サイト
です。
検索型サイト
前者の検索型の求人サイトは、サイトに求人情報が掲載されていて、求職者が求人サイトを通じて直接企業に応募する形になります。いわゆる一般的な求人サイトがこれにあたります。
代表的な例としては、Re就活、はたらいく、ワークゲート、リクナビNEXTなどです。
コンサル型サイト
後者のコンサル型サイトは、いわゆる就職支援サービスというものにあたります。
コンサル型サイトの具体的なサービス内容は、サイトに一部の求人情報を掲載して登録者を募り、就職までをサポートするところと、求職者を集めて一定期間の研修の後、企業との面接をセッティングし、就職までをサポートするところに分かれます。
一般的な就職支援サービスの例としては、いい就職ドットコム、UZUZ(ウズキャリ)、ハタラクティブなどがあり、研修型の就職支援サービスの例としては、就職カレッジ、かつやくカレッジが挙げられます。
検索型サイトのメリット・デメリット
検索型サイトのメリット
- 検索型サイトは登録から応募・選考までのレスポンスが早い
- 自分に合っている求人、合わない求人がすぐに分かる
- スカウト機能が付いていることが多く、オファーが来ることもある
検索型サイトのデメリット
- 就職活動の相談ができない
- 応募書類の書き方指導がない
- 面接の受け方の指導がない
- スケジュールの調整を自分でしなければならない
コンサル型サイトのメリット・デメリット
コンサル型サイトのメリット
- 就職支援会社に推薦してもらえる
- 応募書類の書き方を教えてくれる
- 面接の受け方を指導してくれる
- 既卒の求人(特に正社員)を紹介してくれる
- 面接から選考がスタートできたりすることもある
コンサル型サイトのデメリット
- コンサル型サイトは登録面談、選考対策、研修があるのでその分選考までに時間がかかる
- コンサル型サービスの数が少ない
- サービス拠点もしくは求人対応地域が限られている
- 就職アドバイザーと相性が合わないことがある
- 面談で摺り合わせをしっかりしておかないと、自分に合わない求人が紹介されることがある
以上のまとめ
- 自分で就活するのに自信が無い人はコンサル型サイトを利用しましょう。
- 検索型サイトとコンサル型それぞれに一長一短があります。
スカウト機能とは
求人サイトや一部の就職エージェントの中にはスカウト機能というものがあります。これをうまく活用することで、就職活動の幅が広がります。
- スカウト機能とはどういうサービス?
- スカウト機能のメリット
- スカウト機能のデメリット
- スカウト機能がある求人サイト
スカウト機能とはどういうサービス?
求人サイトに登録した経歴をもとに企業から選考を受けてみないかという連絡が来るサービスです。
最近では、逆求人サイトという呼び方をされています。
求人がリアルタイムに掲載されている企業だけでなく、募集をかけていない企業もオファーしてくることがあるので、チャンスが広がります。
スカウト機能のメリット
先に述べたように、スカウトとは企業からぜひ当社の選考を受けてくださいというオファーになります。そのオファーというのは企業によっては、面接に優先して呼ぶよというところもあります。
つまり書類選考で有利になる可能性があるので、求人サイトを利用するのであれば、スカウト機能に登録をしておくべきです。
スカウト機能のデメリット
このスカウト機能ですが、すべての求人サイトについているわけではありません。
また、求人サイトにスカウト機能が付いていてもどちらかというと中途者向けの仕様になっているので、職歴のない既卒者にとっては記入がしにくいかもしれません。
書類選考で有利になるといっても、必ず通過を保証しているわけではないので注意しましょう。
スカウト機能がある求人サイト・就職エージェント
そんな中で、既卒者でもスカウト機能が利用しやすいのは、いい就職ドットコムの関連サービスであるアッテミオファーです。
対象者は20代に限定されますが、趣味や個性を登録するだけでよく、企業からオファーがあると書類選考なしで初回の面談・面接が受けられるというメリットがあります。
また、求人サイトのはたらいくにも「らいくサービス」という独特なスカウト機能があり、人柄をアピールしやすい形になっているので、はたらいくに登録をした際は「らいくサービス」を利用してみましょう。
一方で、リクナビNEXTは中途向けなので、職歴を記入する必要があり、既卒未就職者にとっては使いにくいですが、アルバイト歴があればそれを職歴に見立てて記入してみましょう。
また、難関資格試験で勉強してきた知識やアクセス数のあるブログ運営歴があれば、職歴欄でアピールするのもありだと思います。
以上のまとめ
- スカウト機能は選考を受けてくるというオファーが非公開企業からも来るサービス
- メリットは、企業によっては書類選考で有利になる
- デメリットは、全ての求人サイトに実装されているわけではなく、職歴のない既卒者は利用しにくい
- スカウトサービスでおすすめは、「アッテミオファー」と「らいくサービス」。リクナビNEXTは中途向けのため使いにくい
派遣とは
既卒と派遣はあまり関係はないのではと思うかもしれませんが、そんなことはありません。まずは、派遣について知ることから始めて、就活に活かしましょう。
- 派遣には複数の種類がある
- 派遣に向いていない人
- 既卒は紹介予定派遣を利用すべき
派遣には複数の種類がある
人材派遣には複数の種類があり、一般派遣と紹介予定派遣、特定派遣があります。
一般派遣の場合は派遣期間が過ぎると雇用が終了してしまうため、違う派遣先を探す必要があり、正社員・契約社員になる可能性が低いです。
紹介予定派遣は6ヶ月などの一定期間働いた後に、双方の合意のもとで直接雇用に移行するというものですが、契約社員、正社員として働くチャンスが出てきます。
特定派遣は人材派遣会社と雇用契約を結んだ上で、派遣先で働くというもので、人材派遣会社の正社員もしくは契約社員であるので、安定度は一般派遣や紹介予定派遣よりもあります。
派遣に向いていない人
一般派遣には職務経験のない・浅い人を対象にした求人もありますが、量としては少ないです。
また、特定派遣も経験・スキルのある人が優先されやすいので、職歴のない人には向いていないかもしれません。基本的には何らかの職務経験がある人の求人の方が多いです。
ですので、派遣求人サイトで探したり、人材派遣会社に登録しても、すぐに仕事が見つかるとは限りません。
既卒は紹介予定派遣を利用すべき
紹介予定派遣は正規雇用に就きたい既卒のフリーター・ニートにとってチャンスです。
仕組みは、一定期間の研修の後、企業で一定期間の職務体験を行い、双方の合意のもとで直接雇用に転換するというものです。
双方合意のもとなので、企業の方から断りがあったり、求職者の方から断ったりするケースもありますが、だいたいは直接雇用に移行しています。
従って、正社員を目指すのであれば、正社員になれる可能性のある紹介予定派遣の方が良いでしょう。
以上のまとめ
- 人材派遣には一般派遣と紹介予定派遣、特定派遣と複数の種類がある
- 基本的に、職歴のない人には向いていない
- 一般派遣よりも紹介予定派遣の方が既卒を対象にした求人が多く、正社員を目指しやすい