一般的に、給料が低い会社に就職すべきではありません。
以下の記事でも、そのことについて解説しています。
では、給料が低くても、スキルが身につく会社であればどうでしょうか?
ありなのでしょうか?なしなのでしょうか?
今回の記事では、その点について解説しました。
スキル習得目的ならあり
本来、給料が低い会社には就職・転職してはいけません。
次に転職する際に、その会社での収入が給与の基準になってしまうからです。
しかし、スキル目的ならありです。
長期的には高収入が得られる
人はどうしても目先の損得に捉われがちです。
初任給が高い、もしくは安定した給与がもらえる企業に行きたいと思うのはよく分かります。
ところが、長期的に見ると、それは決して正しいとは言えません。
ジョブ型雇用が増えていくと、良い待遇を得るためには、該当職種におけるスキルの有無がより問われるからです。
現に、ホワイト大企業に就職したにもかかわらず、辞める人がいます。
ポストが空いていないこともあるのですが、大手ほど調整する仕事が多く、書類作成や手配師としてのスキルしか身につかないことが原因です。
そのため、実務スキルを身につけるために、あえてベンチャー企業へ行く人が増えてきています。
そういったことから考えても、スキルが身につくのであれば、給料が低い会社でもありだと言えます。
ベンチャー企業から大手への転職が増えている
今まではベンチャー企業から大手企業に転職するのは難しいとされていました。
ところが、その流れが変わり、スキルのある人材をベンチャー企業から採るようになってきました。
大企業は人材育成が上手く行かず、イノベーションも起こせず、海外企業と大きく差を空けられてしまったからです。
スキルを身につけて、大手にステップアップできるチャンスがあるのであれば、一時的に給料が低いベンチャー企業に就職するのはありでしょう。
習得目的にすべきスキル
習得目的にすべきスキルは本人が必要だと思うもので構いませんが、一般的にはWebマーケティングとプログラミングがおすすめです。
IT人材が不足している
「経済産業省 IT人材育成の状況などについて」によると、2030年にはIT人材の不足が40~80万人になるとされています。
IT人材は主にプログラミング言語を活用して仕事をするエンジニアがほとんどです。
平均年齢は年々高くなっており、若い人が足りません。
それだけの需要があるので、収入面でも期待できます。
そのため、給与が低い会社でも、プログラミングスキルを高められるのであれば、勤めるべきです。
さらに、エンジニアによって生み出されたサービスを販売拡大していく人材も求められています。
WebマーケターはWebマーケティングスキルを活かして販売拡大に貢献できるので、エンジニアほどではないですが、需要があります。
IT人材の募集はベンチャー企業に多い
エンジニアやWebマーケターの募集はベンチャー企業に多いです。
大手企業と違い、未経験からでも就職しやすいため、既卒のフリーターでも十分にチャンスがあります。
3年以上は経験を積むべき
いくらスキルの習得ができるとはいえ、短期間で離職するのは愚行です。
3年以上は経験を積むべきです。
3年間の職務経験は転職の最低条件である
転職サイトを見てみると、募集要項の応募資格欄に、「職務経験3年以上」と書かれていることが多いです。
これが何を指しているかというと、一定のスキルがあると認められるのは、3年間だということです。
3年未満は心証が良くない
1年・2年で辞めても、面接官の心証は良くありません。
堪え性がないと思われてしまうからです。
特に、1年未満の短期離職は避けてください。
既卒からせっかく就職したのに、短期で辞めてしまっては、スキルはほぼ身につけられず、再就職が難しくなってしまいます。
採用する側からすれば、事業計画をもとに人員計画を立てて採用活動をしているので、短期で辞めてしまうような人は雇用しにくいです。
スキルが習得できる会社とは
スキルが習得できる会社はどのような特徴があるのか確認しておきましょう。
教育・研修制度が整っている
企業規模に関わらず、教育・研修制度が整っていることは大前提です。
特に、小さい会社は人材育成にかけられる予算がないところが多いですが、それでも教育をしてくれる会社はおすすめです。
もし、教育を担当してくれる社員が、その分野の一人者であるならば、なおさら良いでしょう。
幅広く実務経験を積める
一般的に大企業は研修制度が充実していますが、上流の仕事が多く、実践に活かす機会が少ないです。
逆に、企業規模が小さい会社は幅広く実務経験を積めるため、スキルアップしやすいです。
ただし、中小企業でも教育をせずにすぐに実務に放りだすところはおすすめできません。
1つ目の特徴でも述べたように、教育・研修制度が整っていて、幅広く実務経験が積める小さい会社がおすすめです。
資格手当が充実している
スキルを身につけるにあたって、資格の取得を目指すことがあります。
そこで、資格手当が充実していると、意欲が沸き取得に結びつきやすいです。
ベンチャー・スタートアップ企業
これまでに述べた特徴に合った会社はベンチャー・スタートアップ企業に多く見られます。
求人の募集要項だけでは、スキルが習得できる会社なのか否かを見抜くことは難しいです。
新卒であれば、OB・OG訪問、インターンシップ、既卒であれば、就職エージェントを利用して、スキルが習得できる会社を見抜きましょう。
- 非大卒におすすめの就職エージェント:ゼロタレの評判を確認する
- 大卒におすすめの就職エージェント:UZUZ(ウズキャリ)の評判を確認する
転職時の年収交渉は足元を見られる可能性が高い
スキル習得目的で給料が低い会社に就職しても、転職時の年収交渉は足元を見られる可能性が高いです。
現職の年収を基準に給料を決定する
転職先の給料は現職を基準に決定します。
そのため、現職の給料が低いと足元を見られて、低い金額を設定される可能性が高いです。
例えば、現職が350万円だったら、その金額の程度の経験・スキルしかない、あるいは高スキルだけど安く雇えるチャンスという判断をしてくるかもしれません。
求人募集の際にはある程度の給与レンジが公開されていますが、400~700万円だったら、応募先は下限の400万円近くを提示してくるでしょう。
それに対して、立場上もあまり強く主張できません。
新卒・既卒として最初の就職先の給料が低いというのは、こういったデメリットもあるということを認識しておきましょう。
希望を無理に言うと不採用になる
最初に提示されていた金額が妥当だとします。
しかし希望の金額はそれよりも高い場合、無理を言っていることになるので、採用だったはずが不採用になることもあります。
希望金額に見合った経験・スキルがないと、こういったことになりかねないため、最初から給料が高い会社に入っておけばよかったということになってしまいます。