- 学校を卒業して3年以内なら新卒扱いと聞いたけど、実際のところはどうなの?
- 新卒扱いで就活したほうが得なのか、既卒で就活したほうが得なのか知りたい!
と思っていませんか?
実は、卒業後3年以内の既卒者が新卒扱いで就職活動をするのはメリットもデメリットも両方あります。
どうせ卒業後3年以内の既卒者の新卒扱いは、新卒しか採用しないよと思っていると損をします。過大な期待は禁物ですが、徐々に変わってきてはいます。
今回の記事では、変化している点をデータを用いながら、卒業後3年以内の既卒者の新卒扱いのメリット・デメリットを解説しました。
卒業後3年以内の既卒者であるあなたが、どのように就職活動をすればよいのかハッキリしますよ。
新卒扱いのメリット
新卒扱いのメリットは次の3つがあります。
- 新卒向けの就職サイトが利用できる
- 新卒向けのエージェントが利用できる
- 大手企業の求人に応募できる
新卒向けの就職サイトが利用できる
あなたが現役時代に使っていたリクナビやマイナビなどの新卒向け就職サイトを卒業しても3年以内であれば使えます。
実際にリクナビで求人数を検索(2019年5月時点)してみると、総求人数約32,000社のうち約70%にあたる約22,000社が応募資格に既卒者を含んでいます。
ここで、以下の厚生労働省の労働経済動向調査の既卒者の応募受付状況と卒業後経過期間の上限の推移をご覧ください。
既卒者の新卒枠(正社員)への応募可否
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
既卒応募不可 | 39.6% | 30% | 30.6% | 25.8% | 30.6% |
既卒応募可能 | 60.4% | 70% | 69.4% | 74.2% | 69.4% |
※数値は応募可能を基準に四捨五入で算出
既卒者の卒業後経過期間の上限
2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
3年超 | 7% | 4% | 2% | 3% | 5% | 8% | 7% | 7% | 7% |
2~3年以内 | 12% | 39% | 50% | 56% | 51% | 52% | 54% | 59% | 55% |
1~2年以内 | 31% | 26% | 22% | 20% | 19% | 15% | 17% | 17% | 17% |
1年以内 | 50% | 31% | 25% | 21% | 25% | 25% | 22% | 17% | 21% |
出典:「労働経済動向調査」
2014年から2015年にかけて既卒者が新卒正社員枠へ応募できる確率が一気に10%近く上がり、2015年からは約70%前後で推移しています。
また、卒業後の経過期間の上限で2~3年以内が2010年から2012年にかけて一気に38%も上昇し、現在まで50~60%の間を推移しています。
これらの数値とリクナビの数値と併せて見ても、卒業後3年以内は新卒扱いというのが浸透してきているのが伺えます。
新卒向けの就職エージェントが利用できる
求職者に合った企業の紹介や、履歴書・エントリーシートの書き方、面接の受け方を指導してくれるサービスを卒業後3年以内(未満のところもあり)であれば利用することができる新卒就職エージェントが全てではありませんがあります。
例えば、doda新卒エージェントでは卒業後3年以内の既卒未就業者向けの専用サービス、キャリタス就活エージェントは卒業後3年未満の社会人・既卒未就労者向けのサービスがあり、利用することができます。
既卒でも利用できる新卒就職エージェント一覧
大手企業の求人に応募できる
就職サイトや就職エージェントのどちらにも言えることですが、大手企業またはそのグループ企業の求人の取り扱いもあって、応募できます。
既卒向けの就活サービスが扱う求人のほとんどは中小企業なので、新卒扱いならではのメリットです。
新卒扱いのデメリット
新卒扱いのデメリットはたった1つです。
新卒扱いは建前である
新卒扱いというのは建前で、実際は在学中の新規卒業予定者のみしか見ていないというデメリットがあります。
つまり、国の方針には従っておくけど、ストレートに就職を決められない人には何か問題があるから実際の選考では不採用にするという企業が少なからず存在するということです。
ここで、以下の厚生労働省の労働経済動向調査の新卒採用枠での既卒者の採用状況をご覧ください。
新卒枠(正社員)での既卒者の採用状況
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
既卒を採用 | 40% | 53% | 52% | 49% | 47% |
既卒を不採用 | 60% | 47% | 48% | 51% | 53% |
出典:「労働経済動向調査」
2015年以降は新卒枠での既卒の採用・不採用がおよそ半々で拮抗しています。このことから、新卒扱いは建前の企業がまだ多いことが伺えます。
<2020年11月追記>
不景気を見越してか、厚生労働大臣が企業に対して、卒業後3年間は新卒扱いするようにというお願いをしていました。
このことから、完全には浸透しきっていないことが分かりました。
特に、不景気になると、企業も雇用する余裕がないので、こうなってしまうのは止むを得ません。
新卒カードは強い
大学在学中に就職が決まらなかったので、わざと必修単位を落としたり、卒業延期制度を利用して留年をする方が、卒業をして就職浪人をするよりも遥かに得なのです。
就職が決まらなかったという事実はどちらも同じなのですが、新卒なのか既卒なのかの違いでこうも変わってしまうのは、新卒カードの強さを感じざるを得ません。
新卒扱い・既卒の両方で就活するのがベスト
あなたが卒業後3年以内であれば、新卒扱い・既卒の両方で就活したほうが良いです。その理由は次の2つがあります。
- 就職のチャンスが増える
- 企業側も対応が変わってきている
就職のチャンスが増える
既卒だけで求人を探そうとすると、数百から数千の求人数しかありませんが、新卒扱いであれば、数万に膨れ上がります。
応募できる求人が多くなるということはそれだけ就職のチャンスがあるということです。
企業側も対応が変わってきている
デメリットで述べたように、卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いと見なさない企業もありますが、それでも年々方針が浸透してきているのと、人手不足で売り手市場になっているので、企業側も対応を変えざるを得なくなってきています。
それを踏まえて、両睨みで就活をした方がお得です。
新卒向けサービスを利用するなら就職エージェントを優先する
就活でリクナビやマイナビなどの新卒就職サイトを利用してもよいのですが、より確実に就職の確率を上げるためには就職エージェントを利用した方が良いです。
その理由は次の通りです。
- 自分に合った企業選びをアドバイスしてくれる
- 応募書類の書き方を指導してくれる
- 面接の受け方を指導してくれる
自分に合った企業選びをアドバイスしてくれる
新卒の就活で失敗した原因によく挙げられるのが、応募する企業の選り好みをしてしまったことです。
今度こそ就活を成功させるためには、自分の主観だけで応募先を決めるのではなく、第三者の視点も入れて決めた方が良いです。
エージェントのアドバイザーはカウンセリング面談を通じて、あなたの強み・弱みを把握して、希望も考慮しながら適性に合った求人を紹介してくれます。
応募書類の書き方を指導してくれる
企業の選り好みはしていなくても、応募した企業の書類選考に落ちてばかりという人もいます。
その原因は履歴書やエントリーシートの書き方が下手なことに尽きます。
あなたが新卒の時の就活で、書類選考で落ちてばかりだったのであれば、エージェントのアドバイザーに相談をして、応募書類の書き方を指導してもらったり、添削をしてもらうべきです。
面接の受け方を指導してくれる
書類選考は通過していたけど面接が全く通過しないという人は、面接の各段階での通過ポイントを理解できていない可能性が高いです。
個人ではできたと思っていても第三者から見たらできていないことが多いのはよくあることです。
エージェントのアドバイザーは面接官の視点であなたの良いところ、悪いところを指摘してくれるので、面接に通過する確率がアップします。