NTT・KDDIの就労支援事業を検証してみた【つなぐ×かえるプロジェクト】

就活コラム

2020年の2月16日に、NTTとKDDIが共同で、就職氷河期世代やリーマンショック世代を中心とした人達の就労支援事業を行うと発表しました。

※両社とも大元が旧逓信省の兄弟会社(NTTは日本電信電話公社、そこから分離した国際電信電話がKDDI)

やっと大手企業が動いた、取り組むのが20年遅い、意味があるのかなど様々な意見があります。

そこで、現時点で分かっている情報をもとに、どんな内容なのか、メリット・デメリットを交えながら検証してみました。

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つなぐかえるプロジェクト 就労支援事業とは

NTTとKDDIが共同で、ICT業界(※)への就職・転職を志望している50歳未満の学生を除く人に対して、就労・就業を支援する事業です。

すべて、Webで行われるため、スマホやPCがあれば全国どこからでも参加できます。

※ICTとは、情報通信技術を指す

どんな就業サポートが受けられるのか

まず、希望者全員が受講できる研修と、就業支援事業の対象者しか受けられない研修があります。

前者はリモートワークスキル研修と支援セミナーで、後者は主に資格研修・社会人基礎研修です。

研修後は、ICTに関連する各資格試験を受けて、キャリアカウンセリングも受けながら就職・転職活動をする流れになっています。

もし、資格取得が出来なかったらという心配をするかもしれませんが、取得の有無に関係なく就職サポートは行われます。

資格研修は4つのコースがある

  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の取得を目指すOAコース
  • ITパスポート試験の合格を目指すビジネスコース
  • CCNA(Cisco Certified Network Associate)の取得を目指すネットワークコース
  • CompTIA Cloud Essentialsの取得を目指すクラウドコース

どんな資格・スキルが身に付けられるのか

リモートワークスキル研修・支援セミナーでは、

  • 通信基礎知識
  • TEAMS、OneDriveの使い方
  • リモートでのコミュニケーション術

資格研修では、

  • OAコース→パソコンスキル
  • ビジネスコース→IT知識
  • ネットワークコース→ネットワークエンジニアとしての基礎スキル
  • クラウドコース→クラウド運用知識・スキル

社会人基礎研修では、

  • PC基礎操作
  • IT業界、ネットワーク・セキュリティ基礎
  • 社会人としてのマナー
  • コミュニケーション
  • 課題解決力

4つの中ではネットワークコースがおすすめ

4つの資格研修コースの中で、就職につながりやすいのは、CCNAの取得を目指すネットワークコースです。

マイナビ転職でも、CCNAで求人を探せるようになっており、中には、CCNAを持っていれば応募できる企業があるからです。

なお、この就労支援でCCNAの取得を目指すコースがある理由は、以下の記事を読むと理解できます。

既卒がIT資格を取得するならCCNAにすべき理由
弁護士や公認会計士など一部の難関国家資格であれば就職できる可能性は高いですが、一般的な資格を取ったからといって、就職は保障されていません。 しかし、就職に限りなく近づける有利な資格はあります。 それは、ネットワークエンジニアの技...

利用するデメリット

就労支援事業を利用するデメリットについてまとめました。

300名超の雇用に限られている(しかも目標値)

2020年春の時点では、アンケートで、就職氷河期世代の採用を行うとした大企業はありませんでした。

2021年になってようやく、NTTとKDDIが共同で就業支援に乗り出しました。

しかし、現在判明している限りでは、300名ほどを目標値として雇用を創出するにとどまっています。

国は、3年間で就職氷河期世代の正規雇用を30万人増やす目標を掲げていますが、世界的なパンデミックがあったせいで、逆に頓挫しかけています。

公務員や、国の方針に賛同した一部の中小企業、そして、今回のプロジェクトを含め、あまりに採用人数が少なすぎます。

NTT・KDDIの各グループに全員が雇用されるわけではない

300名中130名ほどはNTT・KDDIグループ会社に雇用される可能性があります。

しかし、残りの人は、ICT業界の企業を中心に就業支援するとなっています。

その中にも優良企業はあるかもしれませんが、NTTやKDDIほどの待遇は期待できないでしょう。

未経験からの就職・転職なので、年収は期待できない

未経験から就職・転職するとなると、初年度の年収は300万円台、良くて400万円台に乗るかというところでしょう。

なぜなら、転職サイトに掲載されている、NTTドコモの中途採用の年収の下限が500万円となっているからです。

経験者でこの金額ということは、未経験者は推して知るべしです。

正社員への雇用を保障してはいない

就職もそうですが、正社員への雇用も保障していません。

就職氷河期世代・リーマンショック世代の救済の意味合いが強いので、おそらく、NTT・KDDIグループが雇用する分に関しては、正社員求人がほとんどだと思います。

しかし、その他ICT業界への就業に関しては、今プロジェクトを委託されている人材派遣会社のアデコ次第なので、場合によっては派遣の求人を紹介される可能性もあります。

利用するメリット

就労支援事業を利用するメリットについてまとめました。

就業経験を問わない

資格・スキルを身につけて、就職を目指すという内容なので、就業経験を求めていません。

50歳未満かつ学生でなければ無料で参加できる

対象が50歳未満で学生でなければOKなので、参加はしやすいです。

さらに、Web上で行われる全ての研修は無料なので、金銭的負担もありません。

就職氷河期世代、リーマンショック世代を救済する意思がある

プロジェクト名に、就職氷河期世代やリーマンショック世代と書かれているわけではありませんが、募集要項には募集の背景として書かれています。

そのため、NTT・KDDIといった大手の企業で働けるチャンスが得られます。

資格が取れなくても就業サポートをしてくれる

この就労支援事業のメインが資格研修です。

そこで学んで取得を目指す資格が、仮に取れなかったとしても、就業サポートは行ってくれます。

つなぐかえるプロジェクト 就労支援に向いている人・いない人

メリット・デメリットを踏まえて、NTT・KDDIの就労支援事業に向いている人・いない人についてまとめました。

20代から30代前半は向いている

就職氷河期世代の救済を謳っているので、資格研修に参加できる20代から30代前半の人は少なくなるかもしれません。

しかし、定年までの時間はまだあるので、仮に参加できなかったとしても、ダメージは少ないです。

もし、参加できたとしたら、NTT・KDDIグループに就職できる可能性もあるので、チャンスです。

そういう点で、20代から30代前半は向いています。

30代後半以上は向いていない

就職氷河期世代を救済する目的があるとはいえ、対象者は20代・30代前半も含まれています。

参加対象者を絞り込む審査もあることから、何百万人もいると言われている就職氷河期世代の未就業者、非正規雇用者、低所得者全員が参加することは不可能です。

さらに、雇用される人数も300名ほどに限られています。

資格を取って就職できたからといって、すぐに良い給与が得られるわけでもありません。

キャリアを積んでいかないと、給与も増えないわけで、定年が60歳だとすると、40代後半は、10年ほどしか働けません。

これでは、キャリアが積めたと思ったら、定年がきてしまいます。

そういう点で、30代後半以上、特に40代後半は向いていません。

つなぐかえるプロジェクト 就労支援に期待したいこと

最後に、NTT・KDDIの就労支援事業に期待したいことは、雇用人数の拡大、もしくは、対象者の絞り込みです。

前者と後者では真逆のことを言っていますが、就職氷河期世代・リーマンショック世代の救済を謳っているのであれば、30~50歳未満とすべきですし、さらに絞り込むなら30代後半~50歳未満とすべきです。

一方で世代に関係なく広く支援するのであれば、就労支援事業で雇用される人数を増やすべきです。

なぜなら、就職氷河期世代は、当時、応募していた企業は軒並み高倍率の競争率だったからです。

今回発表されている雇用目標値が約300名ですが、また同じ苦しみを味わうことになりかねません。

雇用人数を拡大するか、対象者を絞り込むことによって救済できる人が増えるので、ぜひそうして欲しいものです。

申込はこちら(公式サイト)