NTT・KDDIの就労支援事業を検証してみた【つなぐ×かえるプロジェクト】

つなぐ×かえるプロジェクト就労支援事業のイメージ就活コラム

2020年の2月16日に、NTTとKDDIが共同で、就職氷河期世代やリーマンショック世代を中心とした人達の就労支援事業を行うと発表しました。

※両社とも大元が旧逓信省の兄弟会社(NTTは日本電信電話公社、そこから分離した国際電信電話がKDDI)

「やっと大手企業が動いた」「取り組むのが20年遅い」「意味があるのか」など様々な意見があります。

そこで、現時点で分かっている情報をもとに、どんな内容なのか、メリット・デメリットを交えながら検証してみました。

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つなぐかえるプロジェクト 就労支援事業とは

NTTとKDDIが共同で、ICT業界(※)への就職・転職を志望している50歳未満の学生を除いた人に対して、就労・就業を支援する事業です。

すべて、Webで行われるため、スマホやPCがあれば全国どこからでも参加できます。

※ICTとは、情報通信技術を指す

募集期間

第1期は終了しました。

第2期の募集期間は、2021年4月1日~4月30日となっています。→終了しました。

どんな就業サポートが受けられるのか

まず、希望者全員が受講できる研修と、就業支援事業の対象者しか受けられない研修があります。

前者はリモートワークスキル研修と支援セミナーで、後者は主に資格研修・社会人基礎研修です。

研修後は、ICTに関連する各資格試験を受けて、キャリアカウンセリングも受けながら就職・転職活動をする流れになっています。

もし、資格取得が出来なかったらという心配をするかもしれませんが、取得の有無に関係なく就職サポートは行われます。

資格研修は4つのコースがある

  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の取得を目指すOAコース
  • ITパスポート試験の合格を目指すビジネスコース
  • CCNA(Cisco Certified Network Associate)の取得を目指すネットワークコース
  • CompTIA Cloud Essentialsの取得を目指すクラウドコース

どんな資格・スキルが身に付けられるのか

リモートワークスキル研修・支援セミナーでは、

  • 通信基礎知識
  • TEAMS、OneDriveの使い方
  • リモートでのコミュニケーション術

資格研修では、

  • OAコース→パソコンスキル
  • ビジネスコース→IT知識
  • ネットワークコース→ネットワークエンジニアとしての基礎スキル
  • クラウドコース→クラウド運用知識・スキル

社会人基礎研修では、

  • PC基礎操作
  • IT業界、ネットワーク・セキュリティ基礎
  • 社会人としてのマナー
  • コミュニケーション
  • 課題解決力

4つの中ではネットワークコースがおすすめ

4つの資格研修コースの中で、就職につながりやすいのは、CCNAの取得を目指すネットワークコースです。

マイナビ転職でも、CCNAで求人を探せるようになっており、中には、CCNAを持っていれば応募できる企業があるからです。

なお、この就労支援でCCNAの取得を目指すコースがある理由は、以下の記事を読むと理解できます。

利用するデメリット

就労支援事業を利用するデメリットについてまとめました。

資格研修を受けられるのは500名以上

第1期の募集では、約7,300名の応募(受講者4,400名)があり、好評だったため、午後6時からの夜間に受講できる追加募集が出ました。

公式の発表では、資格研修を受けられるのは、500名以上となっているので、応募者の数から考えると、少ないです。

300名超の雇用に限られている(しかも目標値)

2020年春の時点では、アンケートで、就職氷河期世代の採用を行うとした大企業はありませんでした。

2021年になってようやく、NTTとKDDIが共同で就業支援に乗り出しました。

しかし、現在判明している限りでは、300名ほどを目標値として雇用を創出するにとどまっています。

国は、3年間で就職氷河期世代の正規雇用を30万人増やす目標を掲げていますが、このご時世で、逆に頓挫しかけています。

公務員や、国の方針に賛同した一部の中小企業、そして、今回のプロジェクトを含め、あまりに採用人数が少なすぎます。

少し後に、アウトソーシングテクノロジーが正社員3,000名を雇用すると公表しましたが、それくらいでもまだ足りません。

ネットワークコースは無職でないと参加しにくい

4つのコースの中では、CCNAの取得を目指すネットワークコースが就職につながりやすいのですが、CCNAの取得は1日8時間勉強をして、最低1ヶ月かかるので、無職でないと難しいです。

そこで、午後6時からの夜間コースの追加募集が出ましたが、3~4時間しか時間を取れないので、2ヶ月かかる計算になります。

資格研修の期間は1~1ヶ月半なので、スケジュール的に無理があります。

NTT・KDDIの各グループに全員が雇用されるわけではない

300名中130名ほどはNTT・KDDIのグループ会社に雇用される可能性があります。

しかし、残りの人は、ICT業界の企業を中心に就業支援するとなっています。

その中にも優良企業はあるかもしれませんが、NTTやKDDIほどの待遇は期待できないでしょう。

未経験からの就職・転職なので、年収は期待できない

未経験から就職・転職するとなると、初年度の年収は300万円台、良くて400万円台に乗るかというところでしょう。

なぜなら、転職サイトに掲載されていた、NTTドコモの中途採用の年収の下限が500万円となっているからです。

経験者でこの金額ということは、未経験者は推して知るべしです。

正社員への雇用を保障してはいない

就職もそうですが、正社員への雇用も保障していません。

就職氷河期世代・リーマンショック世代の救済の意味合いが強いので、おそらく、NTT・KDDIグループが雇用する分に関しては、正社員求人がほとんどだと思います。

しかし、その他ICT業界への就業に関しては、今プロジェクトを委託されている人材派遣会社のアデコ次第なので、場合によっては派遣の求人を紹介される可能性もあります。

利用するメリット

就労支援事業を利用するメリットについてまとめました。

就業経験を問わない

資格・スキルを身につけて、就職を目指すという内容なので、就業経験を求めていません。

50歳未満かつ学生でなければ無料で参加できる

対象が50歳未満で学生でなければOKなので、参加はしやすいです。

さらに、Web上で行われる全ての研修は無料なので、金銭的負担もありません。

就職氷河期世代、リーマンショック世代などを救済する意思がある

プロジェクト名に、就職氷河期世代やリーマンショック世代と書かれているわけではありませんが、募集要項には募集の背景として書かれています。

そのため、NTT・KDDIといった大手の企業で働けるチャンスが得られます。

資格が取れなくても就業サポートをしてくれる

この就労支援事業のメインが資格研修です。

そこで学んで取得を目指す資格が、仮に取れなかったとしても、就業サポートは行ってくれます。

つなぐかえるプロジェクト 就労支援に向いている人・いない人

メリット・デメリットを踏まえて、NTT・KDDIの就労支援事業に向いている人・いない人についてまとめました。

20代から30代前半は向いている

就職氷河期世代の救済を謳っているので、資格研修に参加できる20代から30代前半の人は少なくなるかもしれません。

しかし、定年までの時間はまだあるので、仮に参加できなかったとしても、ダメージは少ないです。

もし、参加できたとしたら、NTT・KDDIグループに就職できる可能性もあるので、チャンスです。

そういう点で、20代から30代前半は向いています。

もし、参加できなかった場合は、80%以上の就職率があり、30代まで対応の就職カレッジが完全オンラインで就活できるのでおすすめです。

スケジュールが確保できない30代後半以降は向いていない

就職氷河期世代を救済する目的があるとはいえ、対象者は20代・30代前半も含まれています。

参加対象者を500名に絞り込む審査もあることから、約600万人もいると言われている就職氷河期世代の未就業者、非正規雇用者だけでなく、低所得の正社員全員が参加することは不可能です。

さらに、雇用される人数も300名ほどに限られています。

人数の問題を気にしないとしても、ネットワークコースで取得を目指す、就職につながりやすいCCNAを合格できるレベルにするためには、最低でも1日8時間を1ヶ月間勉強する必要があります。

これでは、追加された午後6時以降の夜間コースだとギリギリ、もしくは間に合いませんし、日中のコースでも仕事を辞めないと難しいです。(他の資格コースであれば間に合う)

研修期間中はいっさい賃金は発生しないため、今の仕事を辞めるのはリスクが高すぎます。

可能性がある限り申し込むべきですが、上記の理由で、スケジュールが確保できない30代後半以上、特に40代後半は向いていません。

もし、研修を受けるなら、30~54歳まで対応している就活エクスプレスの方が短期間で就職できる可能性があるので、併せて考えておきましょう。

つなぐかえるプロジェクト 就労支援に期待したいこと

最後に、NTT・KDDIの就労支援事業に期待したいことは、参加人数・雇用人数の拡大、もしくは、対象者の絞り込みです。

前者と後者では真逆のことを言っていますが、就職氷河期世代・リーマンショック世代の救済を謳っているのであれば、30~50歳未満とすべきですし、さらに絞り込むなら30代後半~50歳未満とすべきです。

一方で世代に関係なく広く支援するのであれば、資格研修を受けられる人数と、雇用される人数を増やすべきです。

なぜなら、就職氷河期世代は、当時、応募していた企業は軒並み高倍率の競争率だったからです。

今回発表されている雇用目標値が約300名ですが、また同じ苦しみを味わうことになりかねません。

研修参加人数・雇用人数を拡大するか、対象者を絞り込むことによって救済できる人が増えるので、ぜひそうして欲しいものです。

追記

つなぐ×かえるプロジェクトの就労支援事業の第1期と第2期の募集は終了しました。

他に就職氷河期世代が応募できるものとしては、アウトソーシングテクノロジーのジョブチェンジ採用があります。

しかし、就職氷河期世代に限ったものではないため、30代まで対応の就職カレッジや、30~54歳まで対応している就活エクスプレスも合わせて活用しましょう。