既卒の就活が上手くいかないのには原因があります。
その原因を知ることと対策を立てないことには、前に進みません。
そこで、今回の記事では、既卒の選考が失敗続きの人が注目すべきポイントとして、5つを挙げて、原因と対策が分かるようにしました。
既卒の選考が失敗続きの人が注目すべきポイント
「既卒で就職できない原因」でも指摘した、既卒の就職選考が失敗続きの人が注目すべきポイントは次の5つ。
- 書類選考で提出する応募書類
- 面接がどの段階で落ちているのか
- 自己PR・志望動機の曖昧さ
- 過去・現在の振り返り
- 既卒就職エージェントの利用
これらを順番に見ていきます。
書類選考で提出する応募書類
既卒者が書類選考をされているということは、応募資格自体は問題が無いわけです。採用する側が経験者しか求めていなかったら、最初から既卒者は対象外にしているはずですからね。となると、応募書類に問題があることになります。
既卒者が提出する応募書類は履歴書、エントリーシートが一般的ですが、採用する側が求めていれば自己PR書や志望動機書も提出することになります。これらの応募書類はエントリーシートを除いて全てパソコンで作成できるので、誤字脱字が問題になることはなさそうです。
ここまで来たら問題になりそうな箇所は内容しかありません。内容が問われる部分としては履歴書の自己PR、志望動機、趣味欄や、エントリーシートで設定されている質問に対する回答です。
ここがアピールしきれておらず、曖昧になっていることが書類選考に落ち続けている原因になっています。この自己PRや志望動機の内容の曖昧さについては後で述べます。
では、どのようにしてこの問題を解決するのかというと、応募書類を添削してもらうこと、そもそも書類選考が無い求人に応募することです。
以下の記事で、書類選考がない企業の求人を持つ就職エージェントを紹介しています。
面接がどの段階で落ちているのか
書類選考という第一段階はクリアしているけど、面接に落ち続けているのも問題です。
既卒者の面接は新卒者の時と違って行う回数が違います。新卒者の時は5回・6回と面接を行う企業がありますが、既卒者の場合は基本2回、多くても3回しか行いません。
場合によっては社長や採用決定権者との1回で終わることもありますが、一次面接が人事と現場担当者、二次面接が人事と管理職、三次面接が役員との最終面接が一般的です。このどの段階で落ちているのかが問題です。
以下は3段階に分けていますが、面接が2回しかない場合は、一次面接と二次面接を一つとして見てください。
一次面接で落ちている
一次面接で落ち続けている理由は、社会人としての基礎がないと見られているからです。面接のマナーや話し方、身だしなみなど基本的なことができていないために落とされている可能性が高いです。
二次面接で落ちている
二次面接で落ち続けている理由は、あなたと会社とのマッチングができていないからです。採用する側は自社に合った人材かどうかを判断するために自己PRや志望動機を中心とした質問をしてきますが、求職者側が明確に答えられていないために落とされている可能性が高いです。
最終面接で落ちている
最終面接で落ち続けている理由は、入社意欲や熱意が無いと見られているからです。一次・二次を経ているため人材としては問題ありません。
しかし、求職者が他社を受けていることは会社側も分かっているので、本当にうちに入りたいのかを確認するために、なぜ他社ではなく当社なのかを聞いてきますが、それにはっきりと答えられていないために落とされている可能性が高いです。
既卒の面接で失敗するパターンも併せて読んでおくと、理解が深まります。
面接を突破する方法
面接の各段階を突破して内定を得るためには、模擬面接をしてもらう以外にありません。書類選考の時と同じように自分では悪いところが分かりません。第三者に指摘してもらってようやく理解できます。
模擬面接をやってくれるところは、ハローワーク、ジョブカフェ、就職エージェント、有料の就活支援サービスなので利用しましょう。
面接で緊張してしまう方は、こちらの記事も参考にすると役に立ちます。
自己PR・志望動機の曖昧さ
面接官の自己PRや志望動機の反応がいまいちという場合は、曖昧さを疑った方が良いです。
自己PRが曖昧である
書類選考や面接で必ず聞かれてると言ってよい自己PRですが、内容が分かりにくいと採用する側は判断ができません。
優しい企業であれば、自己PRではなく、長所や強み、学生時代に力を入れたことなど形を変えて何回も質問してくれますが、バッサリ切ってしまう企業もあるので、セールスポイントを明確にして論理的に答えないといけません。
自己PRの作り方
自己PRを作るには、エピソード探しをしなくてはいけません。
その上で、Point(結論)、Reason(根拠)、Example(具体例)、Point(結論)のPREPと呼ばれる方法を使って書くと、簡単に書けます。
詳しくは、「既卒が伝わりやすい自己PRを作るポイント【見本あり】」を参照してください。
自己PRの内容をチェックしてもらう方法
書類選考や面接の対処法でも述べていますが、ハローワーク、ジョブカフェ、就職エージェントに相談するのがベストです。
志望動機が曖昧である
自己PRと同様によく聞かれる質問ですが、ありきたりな内容では他の応募者との差別化ができず、本当に志望意欲があるのか疑問に思われてしまいます。
「社風に惹かれて」「商品やサービスが好きだから」などの志望動機はもっての外です。業界、職種、会社の志望理由を論理的に答えないといけません。
志望動機が具体的になる構成がある
まず、志望動機の前に、自己PRを作成しておくと、志望動機が書きやすくなります。
なぜなら、ネタ元は一緒だからです。
本題の志望動機が具体的になる構成ですが、PREPを意識して書くと、具体的になります。
PREPとは主張、理由、具体例、再度の主張です。
詳細については、「既卒が熱意のある志望動機を作るポイント【2つある】」をご覧ください。
志望動機の内容をチェックしてもらう方法
これまでに散々述べてきましたが、ハローワーク、ジョブカフェ、就職エージェントなど第三者にチェックしてもらいましょう。
過去・現在の振り返り
既卒の就活は過去から現在までの振り返りが大切です。
新卒時の失敗した就活を反省していない
既卒者が面接でよく聞かれる質問の一つに、「なぜあなたは既卒者として就職活動をしているのですか?」があります。あなたとしては内心、「こっちだって既卒者になりたくてなってるんじゃないよ」と思っているでしょう。
しかし、その心の思いを言葉にしてそのまま言ってしまってはいけません。なぜなら、求職者は新卒時の失敗した就活を反省していないと採用する側は思ってしまうからです。
では、どのように答えれば納得してもらえるのでしょうか?そのカギとなるキーワードが「反省」です。
素直な反省は既卒になった理由の説明につながる
素直に反省していることと改善して取り組んでいることを答えれば採用担当者にも納得してもらえます。
だから、反省点を可能な限りピックアップしていきます。「大企業ばかり受けていて全滅した」「業界にこだわっていた」「職種にこだわっていた」などと聞けば、あなたも思い当たる節があるでしょう。
例えば何かのこだわりが失敗の原因だとしたら、「自分で可能性を狭めていたことに気付いた。御社は新しいことに挑戦していて、自分のこういうところが合っている・活かせると思った」という流れで回答すれば、良い答え方になります。以下はその答え方の一例です。
「大企業や人気企業ばかりに応募して、選り好みをし過ぎたのが新卒の就職活動に失敗した理由です。大学のキャリアセンターで日本の雇用の7割は中小企業が担っていると聞いて、これまでの就職活動の仕方を反省して、既卒として就職活動をしています」
既卒になった理由の説明の仕方は、「面接で既卒になった理由を高確率で聞いてくるワケ【結論:疑念を抱いている】」を読むとよく分かります。
卒業後の空白期間を上手く説明できるようにしておこう
大学を卒業してすぐに就職が決まる人もいれば、時間がかかって決まる人もいます。
マイナビの調査によると大学などを卒業後3年以内の既卒者の内定率は2019年の9月時点で43.3%となっています。約半数の人はまだ就職が決まっていません。
特にこの半数の人達は既に内定を得た人達以上に「卒業後の空白期間は何をしていたのか」を聞かれます。
ここで、「就職活動していたんだよ。それくらい分かるだろ?」という心の声をそのまま面接で言ってはいけません。この空白期間に関する質問は、新卒の就活が失敗した理由とセットで聞かれやすいです。以下はその答え方の一例です。
「様々な業界や企業を見た中で○○という仕事に興味を持ち、△△という資格があるとその仕事に役立つので、いったん足を止めて、資格の勉強をして取得し、現在就職活動をしています」
引用元:「既卒の就職は資格を持っているだけでは決まらないが有利にはなる理由」
空白期間の説明の仕方は、「既卒の面接で空白期間を聞いてくる意図【働く意欲を見せよう】」を読むとよく分かります。
既卒就職エージェントの利用
個人で就活をして就職が決まることに越したことはありません。しかし現実は厳しく、既卒になった年に内定が得られる人は43.3%しかいないと述べました。
求人サイト経由で決まる人もいますが、その人達の多くは書類選考に通過しない、面接に通過しないという自分の危機的な状況にすぐ気が付いて、サポートをしてもらうという選択肢を採っています。
もし既卒のあなたが今内定を得られていないのであれば、就職エージェントや新卒応援ハローワーク、わかものハローワーク、ジョブカフェの就職支援に頼るべきです。
応募書類の書き方や添削、面接の受けた方を指導してくれます。書類選考が無い求人も有るので、足きりに悩む必要もありません。